久しぶりの樹木医業務2024.10.01 21:51高校の中庭にあるアカマツ。創立以来あるそうですが、傾いて体育館に当たっています。傾いた直後ならワイヤー等をかけて引き戻せば、戻せない事もないが日時が経つと根が張り、難しくなる。体育館を建てた時、松の根元から地面を削り、根も切って支持力が脆弱になっている。切った根につながる幹も死ん...
葉をほとんど食べられても樹木は枯れない2024.07.16 08:16とある会社の玄関のクスノキの葉が食べられているので見てくれ。こんな依頼を受けました。全景を見ると樹勢は悪くない。全葉量の10-20%が鱗翅目(蝶・蛾)の幼虫に食べられて失われている。総務部長にはこの程度の食害では成長に影響することはない。食用性昆虫の食害で樹木が丸裸になることがあ...
京都のしだれ桜が倒れました2024.04.25 00:20久しぶりの樹木医ネタです。京都の枝垂桜が倒れました。動画などを見て、思ったことです。植えている鉢が小さく、十分に根が張れていないこと。葉が茂り重量が増し、風圧を受けたこと。こんなことを言う専門家がいます。動画でチラっとしか見れませんでしたが、根に腐りが見えました。多分、根元腐朽菌...
寒桜の保護について2024.02.21 21:00鳥取市青谷町の寒桜が綺麗だというので見に行ってきました。樹木医による診断等への寄付を募っており保護活動している方に樹木医としてアドバイス・ 樹勢自体は悪くない。・ 5年くらい前は樹勢が悪かったようで幹から萌芽枝がいくつか見える。・ 道路際の地面が踏圧されているので、柵を設けて人が...
ニホンキバチによる食害2023.12.07 04:53スギの切株の斑紋が入っています。これは日本キバチによる産卵痕です。山奥のスギ林では材木を運び出す道路が出来なくて、間伐した木を運び出さずにそのまま伐り捨てることがあります。その木にニホンキバチが産卵すると繁殖して、翌年には大量に発生します。ニホンキバチは、枯れきった木には産卵しな...
樹木の凍裂被害2023.12.04 22:37これは鳥取県三朝町の山奥で見つけたスギの凍裂被害である。水が凍ると堆積が9%程度膨張します。非常な低温になって、樹体内の水分が凍り、その膨張によって縦方向に裂けてしまった。凍裂被害は日本全国、南は四国の愛媛県、九州の福岡、大分県でも見られます。この木は、樹皮が凍裂跡を覆っています...
大樹寺の有楽椿2023.12.03 06:43かつての上司、元農林水産部長から八頭町の大樹寺の有楽椿の調子が悪いので診てくれと令和2年7月に依頼があり、樹木診断して、檀家でも出来る処方箋を書いて送りました。衰退度判定は「やや不良」。診断に行った日、ちょうどお寺で檀家総代の会議をしていて説明しました。写真のような大木です。この...
巻き枯らし間伐2023.11.18 02:26高速道路沿いのヒノキ林が枯れていると聞き、見に行きました。巻き枯らし間伐を行っていました。樹木は樹皮の下の形成層と言う年輪の最外層のところ位しか生きていません。その他は、養分を貯め込むために数年生きる組織が僅かにあります。幹周りの最外層の年輪部分を鋸でぐるりと切ってやると樹木は枯...
松くい虫に強い松2023.11.07 09:08鳥取県倉吉の打吹公園に大正天皇が皇太子時代に行幸された際に宿舎とされた飛龍閣という建物がある。飛龍閣の庭に大王松の巨木があり、鳥取県の名木百選に選ばれている。石碑があり式部職次官伊藤公爵手植松、明治43年(1910年)7月13にとある。伊藤博邦公爵、伊藤博文公の養子であり、何らか...
木材は年輪幅が広くなると硬くなる?2023.10.31 23:40樹木は1年1年年輪を重ねていきます。成長が早いと年輪幅が広くなり、成長が悪いと年輪幅が狭くなります。では年輪幅が広くなると軟らかくなるの?それとも硬くなるの?正解はどちらも正しい!訳のわからない話ですが針葉樹では年輪幅が広くなると軟らかくなる。広葉樹では年輪幅が広くなると硬くなり...
巨木の衰退(三朝町今泉のスダジイ)2023.10.27 22:02鳥取県三朝町今泉神社のスダジイです。傍らの女性と比べるとどの巨大さが解ると思います。衰退気味で枯れ枝が目立ち、幹にも腐れが入っています。神社の境内ということもあり、周りの地面が踏圧され、水たまりが出来るようです。樹木の根は呼吸をしており、降水中の酸素を取り込んでいます。ところが水...
樹木診断、根元にキノコのある危険な巨木2023.10.26 21:06樹高18m、幹周り7.5m、樹齢400年と言われるスダジイの巨木である。2018年に診断したところ、すぐすぐに倒れることはないが根元にキノコが発生している。キノコは木材腐朽菌によって樹木の内部が腐朽していることの現れである。いつか、ドンと下の道に倒れないか心配である。