遺言によって、被相続人の思い通りに遺産の分割ができます。
しかしながら、相続人にも相続財産への期待があります。
ローンの残金や子どもの学費、老後資金などに充てたいという思いは理解できます。
なのに遺言で遺産は全て〇〇へとなると他の相続人は困ってしまいます。
そこで民法では遺留分という制度を用意しています。
法定相続分の一部は、遺言でも侵害出来ないようになっています。
民法1042条
直系の子孫 法定相続分の1/2
直系の尊属 〃 1/3
兄弟・姉妹 なし
子どもは親の遺産への期待もありで、法定相続分の1/2は残すべきというものです。
この遺留分を侵害された相続人は、法定相続分以上に相続した相続人にその侵害分に相当する金銭の支払いを請求できます。
遺言を書く時にはこの辺りに配慮してください。
兄弟・姉妹への遺留分はありません。
生計を同じくすることは少なく、配慮は不要と言うことでしょう。
そのため、子どものいない夫婦には遺言で全ての遺産は残された配偶者へとの遺言をお勧めしています。
いずれにしても一生懸命働いて残した遺産です。
自分の意志を反映させた遺言を是非、ご検討ください。
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